真性包茎のなかでも得意なカントン包茎
勃起時には亀頭が問題なく露出できる仮性包茎は治療の必要はほとんどありませんが、カントン包茎になると話は別で手術による治療が必要です。「カントン」とは医学用語のひとつで、ある臓器が本来の場所から飛び出してしまって正常な場所に戻ることが出来ない状況を意味します。
つまりカントン包茎とは、普段は包皮を剥くことが出来るものの、勃起時には包皮口が狭くて亀頭を露出することが出来ない症状のことです。なんとか剥くことができるものの、窮屈な圧迫感を感じるときも、カントン包茎の範疇に含まれます。仮性包茎のなかでも圧迫感を感じない程度の軽度のカントン包茎もあります。
また若年時代には仮性包茎にとどまっていた場合でも、糖尿病を患い包皮炎をくりかえすうちに包皮の柔軟性が失われて硬くなることでカントン包茎に移行する場合もあるようです。いずれの場合もむりに亀頭を露出させようとすると、キズが出来てしまうリスクがあります。
カントン包茎で勃起すると循環障害のリスクがある
カントン包茎は真性包茎のカテゴリーに入るので、亀頭が包皮に包まれているため審美的にコンプレックスになることがあります。しかし何よりカントン包茎が難しいのが、場合によっては循環障害を引きおこすリスクを抱えている点にあります。
真性包茎と違ってカントン包茎では中途半端に包皮口を剥くことが出来るので、剥けてしまった後は陰茎本体を締め付けてしまいます。勃起状態が解消されるともとの状態に戻ることが多いですが、戻さないまま放置すると血管やリンパ管がしめ付けられるので血流の循環障害を起こします。循環障害が起きると陰茎内部の水分調整に支障をきたしむくんだ状態になるわけです。
特徴的な症状は、締め付けている部分と冠状溝の間の皮膚にドーナツ状にはれてしまうというもの。膨張した部分には余計な水分がたまっているのでぶよぶよしていますが、ここに至ると自力で回復させることは困難です。循環障害をさらに放置すれば、ペニスの組織が壊死する可能性もあります。
まとめ
カントン包茎は平時は亀頭を露出させることが出来るものの、勃起状態に陥ると包皮口で亀頭が圧迫されてしまいます。なかには仮性包茎であってものが、糖尿病などで包皮炎を繰りかえすうちに弾性が喪失され、硬くなることでカントン包茎に移行することも。
カントン包茎で注意するべきなのは、血管やリンパ管が締め付けられることで循環障害をひきおこすことにあります。陰茎にドーナツ状のむくみが出てしまうと、自力回復は困難で手術で治療する必要があります。